臆病者達のボクシング奮闘記(第三話)
応援するのは亜樹だけ?
翌日、康平と弥生は永山高校近くの図書館へ着いた。
二人が中へ入ると、すでに亜樹と綾香が勉強していた。
「時間が勿体ないから、康平ちゃん急ぐよ」
二人は亜樹達の所へ歩いていく。
「おはようございます。亜樹さん、今日もお願いします」
弥生が礼儀正しく頭を下げた。
「おはよう弥生ちゃん。今日も数学を頑張るの?」
「はい。康平ちゃんには悪いけど、今日も亜樹さんを独り占めさせて貰います」
悪びれもなく話す弥生に、一瞬亜樹は呆れたが、頼られているのもあってか諦めたような顔になっている。
「弥生ちゃんは受験が掛かってるからね。……今日も家庭教師になってあげるよ」
弥生が亜樹の隣に座り、康平は弥生の正面へと座った。