臆病者達のボクシング奮闘記(第三話)
「部活の訓練? よく分からんなぁ。……ところでお前らは何部なんだ?」
「……ボクシング部です」有馬が答える。
「ボクシング部! もうすぐ梅田先生も来るから、お前らはここで待ってろ」
体育教師に言われて二人はその場に立っていた。
しばらくすると、梅田がトイレに入った。彼も生活指導の見廻りをしているようで、左腕に「巡回中」の腕章を付けていた。
「梅田先生、こいつら部活の訓練でズボンが濡れたようなんですが、先生はボクシング部の顧問でしたよね。何だか分かりますか?」
体育教師がそう言うと、梅田は黒ブチ眼鏡越しに康平と有馬をジロリと見た。梅田は部活の際、髪をオールバックにしてサングラスを掛けているが、普段は髪を降ろして黒ブチ眼鏡である。
「俺達、水道の蛇口でコレをやってたんです。そしたら、康平のズボンに水が掛かっちゃったんですよ」
有馬が、顔に水を掛けるゼスチャーをしながら説明した。
「……ボクシング部です」有馬が答える。
「ボクシング部! もうすぐ梅田先生も来るから、お前らはここで待ってろ」
体育教師に言われて二人はその場に立っていた。
しばらくすると、梅田がトイレに入った。彼も生活指導の見廻りをしているようで、左腕に「巡回中」の腕章を付けていた。
「梅田先生、こいつら部活の訓練でズボンが濡れたようなんですが、先生はボクシング部の顧問でしたよね。何だか分かりますか?」
体育教師がそう言うと、梅田は黒ブチ眼鏡越しに康平と有馬をジロリと見た。梅田は部活の際、髪をオールバックにしてサングラスを掛けているが、普段は髪を降ろして黒ブチ眼鏡である。
「俺達、水道の蛇口でコレをやってたんです。そしたら、康平のズボンに水が掛かっちゃったんですよ」
有馬が、顔に水を掛けるゼスチャーをしながら説明した。