臆病者達のボクシング奮闘記(第三話)
 有馬の友達は、金髪のサングラスだったり、腕にタトゥーが入っていたりとかなり柄が悪い。ただ康平と健太が有馬の知り合いだったせいか、気さくな印象が康平にはあった。


 有馬が再び口を開く。

「そうそう、あの五人のダチなんだけど、その中の一人の兄貴にプロボクサーがいるんだよ」

「……俺、今までプロボクサーなんて会った事無いな」

「俺が中三ん時に初めて会ったんだけど、無口で大人しい感じの人だったから、プロボクサーには全然見えなかったよ。服着てっと着痩せしてるしさ」

「へぇ〜」

「でも何回か試合を見たんだけど、戦ってる時は全然違うんだよな」

「どんな風に違うんだよ?」

「かなり勇敢だぜ。一発当たれば倒れるようなパンチを平然と交換すんだよな。それにプロの試合用グローブってかなり小さくてさ、あれは直撃したらヤバイね。ホント効きそうだったよ。……服を脱ぐと体もマッチョだしな」

「……あまりよく分からないけど、とに角凄いんだね」

 康平は首を傾げながら言った。

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