臆病者達のボクシング奮闘記(第三話)
飯島が言い終わった時、八ラウンドのシャドーボクシングが終わってスパーリングになった。
最初は石山と大崎である。
二人はヘッドギアとノーファウルカップを付け、そしてスパーリング用のグローブを嵌めてリングへと入った。
康平が石山の嵌めたグローブに気付いたらしく、飯島に質問した。
「先生、石山先輩のグローブは十四オンスじゃないんですか?」
「スパーリングをする時、うちはバンタム級(五十六キロ以下)まで十二オンスのグローブを嵌めるんだがな。石山はフライ級(五十二キロ以下)だが、奴には十四オンスのを使わせてるんだよ」
「石山先輩はパンチがあるからですか?」
「まぁな。大崎は石山から左ボディーブローを食らって、一度肋骨にヒビを入れられてるんだ。他にも犠牲者は二人いるんだがな」
「他の二人って誰ですか?」
今度は有馬が訊いた。
「その二人はもう辞めたんだ。今の二年生は入部した時に六人いたんだが、三人辞めてるんだよ」
最初は石山と大崎である。
二人はヘッドギアとノーファウルカップを付け、そしてスパーリング用のグローブを嵌めてリングへと入った。
康平が石山の嵌めたグローブに気付いたらしく、飯島に質問した。
「先生、石山先輩のグローブは十四オンスじゃないんですか?」
「スパーリングをする時、うちはバンタム級(五十六キロ以下)まで十二オンスのグローブを嵌めるんだがな。石山はフライ級(五十二キロ以下)だが、奴には十四オンスのを使わせてるんだよ」
「石山先輩はパンチがあるからですか?」
「まぁな。大崎は石山から左ボディーブローを食らって、一度肋骨にヒビを入れられてるんだ。他にも犠牲者は二人いるんだがな」
「他の二人って誰ですか?」
今度は有馬が訊いた。
「その二人はもう辞めたんだ。今の二年生は入部した時に六人いたんだが、三人辞めてるんだよ」