臆病者達のボクシング奮闘記(第三話)
「清水は約五ヶ月ぶりのスパーだから、まだ勘が戻ってないんだろうな」
飯島が呟く。
「いや、相沢の奴も結構巧くなってますね。何発かボディーへ打って、伏線張ってからあの右ですよね。フェイントも絶妙だし、俺でも引っ掛かってますよ」
石山が言い終わった時、ラウンド終了のブザーが鳴った。
有馬が飯島に訊いた。
「相沢先輩の構えって、ピーカブースタイルなんですか?」
「口の前に両グローブがあるからな。相沢に言わせると違うらしいぞ」
「マイク・タイソンを真似た構えじゃないんですか?」
「俺も思ったんだがな。相沢本人は、ドナルド・カリーと具志堅を併せたスタイルだって言ってるよ」
「具志堅は分かりますが、ドナルド・カリーって誰なんですか? 聞いたことないんですが……」
「具志堅もそうだが、カリーもお前らが生まれる前に戦っていた選手だよ。プロでは二階級制覇してるんだが、アマチュアでの戦績はとんでもないぞ」
飯島が呟く。
「いや、相沢の奴も結構巧くなってますね。何発かボディーへ打って、伏線張ってからあの右ですよね。フェイントも絶妙だし、俺でも引っ掛かってますよ」
石山が言い終わった時、ラウンド終了のブザーが鳴った。
有馬が飯島に訊いた。
「相沢先輩の構えって、ピーカブースタイルなんですか?」
「口の前に両グローブがあるからな。相沢に言わせると違うらしいぞ」
「マイク・タイソンを真似た構えじゃないんですか?」
「俺も思ったんだがな。相沢本人は、ドナルド・カリーと具志堅を併せたスタイルだって言ってるよ」
「具志堅は分かりますが、ドナルド・カリーって誰なんですか? 聞いたことないんですが……」
「具志堅もそうだが、カリーもお前らが生まれる前に戦っていた選手だよ。プロでは二階級制覇してるんだが、アマチュアでの戦績はとんでもないぞ」