臆病者達のボクシング奮闘記(第三話)
「清水、森谷は右フックを貰っちまったぞ」
石山がニヤッと笑った。
二ラウンド目終了のブザーが鳴った時、清水はリングに向かって叫んだ。
「森谷、右フックだけは貰うんじゃねぇぞ」
「……あっ、はい」
森谷は、目をパチクリさせて返事をした。
飯島が笑いながら言った。
「せっかく清水が褒めたんだけどな。……ただ、今の兵藤の右フックは、いきなり飛び込みながら打ってたぞ」
「マジッスか? サウスポーからそれを打つって怖いですよね。……石山もよく左フックで飛び込んでたけど、サウスポーには打たなかったよな?」
「打たなかったと言うより打てなかったよ。左フックで飛び込んだ時、相手が左ストレートを出せば、ダイレクトでカウンターになるからさ」
石山は頷きながら言った。
三ラウンド目が始まると、兵藤の動きに変化があった。
石山がニヤッと笑った。
二ラウンド目終了のブザーが鳴った時、清水はリングに向かって叫んだ。
「森谷、右フックだけは貰うんじゃねぇぞ」
「……あっ、はい」
森谷は、目をパチクリさせて返事をした。
飯島が笑いながら言った。
「せっかく清水が褒めたんだけどな。……ただ、今の兵藤の右フックは、いきなり飛び込みながら打ってたぞ」
「マジッスか? サウスポーからそれを打つって怖いですよね。……石山もよく左フックで飛び込んでたけど、サウスポーには打たなかったよな?」
「打たなかったと言うより打てなかったよ。左フックで飛び込んだ時、相手が左ストレートを出せば、ダイレクトでカウンターになるからさ」
石山は頷きながら言った。
三ラウンド目が始まると、兵藤の動きに変化があった。