臆病者達のボクシング奮闘記(第三話)
三年生達は、各々自分がスパーリングをした相手に歩いていった。
兵藤と清水は、後輩達の打っているサンドバッグを手で抑えながらアドバイスをしている。
石山はサンドバッグ打ちを終えた大崎へ、接近戦で押し合いのポーズをしながら教えていた。
「三年生は強いんですが、二年生達も凄いですね?」
有馬が訊くと飯島が答えた。
「二年生達がスパーリングをやり始めた頃は、今のお前達みたいに手加減されてもまるで歯が立たなかったんだよ。大崎なんかは負けず嫌いだったから、隠れて悔し涙を流していたしな」
「……そうなんですか?」
「最初はみんなそうさ。でも、少しずつだが先輩達に一泡吹かせるようになっていったんだ。……結局強くなるのは、諦めないで練習を続ける事が出来る奴だって事さ」
一年生達は黙って先輩達の練習を見ていた。
兵藤と清水は、後輩達の打っているサンドバッグを手で抑えながらアドバイスをしている。
石山はサンドバッグ打ちを終えた大崎へ、接近戦で押し合いのポーズをしながら教えていた。
「三年生は強いんですが、二年生達も凄いですね?」
有馬が訊くと飯島が答えた。
「二年生達がスパーリングをやり始めた頃は、今のお前達みたいに手加減されてもまるで歯が立たなかったんだよ。大崎なんかは負けず嫌いだったから、隠れて悔し涙を流していたしな」
「……そうなんですか?」
「最初はみんなそうさ。でも、少しずつだが先輩達に一泡吹かせるようになっていったんだ。……結局強くなるのは、諦めないで練習を続ける事が出来る奴だって事さ」
一年生達は黙って先輩達の練習を見ていた。