臆病者達のボクシング奮闘記(第三話)

 翌日、健太は学校を休んでいた。どうやら風邪のようである。



 次の日の水曜日も健太は学校に来なかった。この日はスパーリングをする日だ。


 放課後になると一年生達は緊張していた。

 この日から先輩達は、カウンターを打ってもいい事になっていたからだ。


 部室へ行く前、康平と有馬は体育館の水飲み場へ立ち寄った。

 そして二人はバシャバシャと顔に水を掛ける。


 練習が始まり、シャドーボクシングになると、白鳥は体勢を低くしつつ上向きのパンチをひたすら繰り出していた。


 シャドーボクシングが終わり、有馬と大崎のスパーリングが始まった。

 有馬はカウンターを警戒してか、左へゆっくりと回りながら様子を見る。

 一方大崎は、膝で早いリズムを取りながら前に出ていった。

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