コイツ、俺の嫁だから。【おまけも完結】
いいな……ああいう家族を見てると、あたしも子供が欲しくなるなぁ。

願望が少し高まって、羨みの目で三人を見送ると、入れ違うようにして那央が戻ってきた。



「悪い、奈々ちゃん達帰っちまったな」

「うん。那央の方は大丈夫? 仕事の電話だったんでしょ?」

「あぁ、書類関係の話。呼び出しじゃないから安心しろ」



不安が一変、心底ホッとしてふにゃりと笑うあたし。



「よかった……。今日はずっと一緒にいれそうだね」



無意識に那央の腕に触れると、彼はあたしの頭に片手を回して、その胸に抱き寄せた。



「……なんか今、無性にキスしたいんだけど」

「はぃ!?」



何でこのタイミングで!?

てか、警察官たる者、人前で平然とこういうことするな!

髪にキスをするように顔を埋める那央から身体を離したあたしは。



「今はコレで我慢してください」



持っていたいちごを彼の唇にぶにゅっと押し付けた。

仏頂面をする那央に、あたしは吹き出して大笑い。


久々のデートは、笑いが絶えない、甘くて幸せなひと時となった。




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