コイツ、俺の嫁だから。【おまけも完結】
「あとは……やっぱりお酒も必要だよね」



那央はお酒が強いし、皆で飲むのも大好きな人。

スーパーの棚に並ぶリキュールの数々を見て、去年やった飲み会を思い出す。


というのも、高校時代、部活で異色コンビだったカレンさんと藤丸先輩を交えて4人で飲んだのだ。

高校卒業後、一緒に留学したあの二人。

結婚しているのかどうかも教えてくれず、相変わらず謎の二人だけど……

とりあえず今は、翻訳家として飛び回るカレンさんを、やっぱり執事のように藤丸先輩がお世話しているらしい。



「うわ、忌まわしの“大魔王”……」



焼酎のコーナーで、一升瓶に入った存在感のあるソレを見て苦笑いするあたし。

この大魔王というお酒を飲んで酔っ払い、暴れまくるカレンさんを藤丸先輩と那央で取り押さえていたっけ……。

ウケ狙いでこれ買っていってみようか。


含み笑いしつつ、一升瓶ではなく小さな紙パックを手に取り、他にもビールや甘いカクテルを適当に買い込んで家に戻った。

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