コイツ、俺の嫁だから。【おまけも完結】
。:*°俺のそばから離れんな
すっかり話し込んでしまい、舞花のアパートを出ると外はすでに暗闇に包まれていた。
まだ那央から連絡はないけど、急いで帰って料理の続きをやらなくちゃ。
だいぶ気分が上向きになったあたしは、舞花にお礼を言うと笑顔でアパートを後にした。
再び電車に乗って、官舎の最寄り駅を目指す。
その途中、那央から“今から帰る”とメールが来た。
よかった……やっと帰ってきてくれるんだ。でも。
「料理間に合わなさそー……」
夕飯が出来るまでちょっと待っててもらうことになるけど、まぁ仕方ない。
もう細かいことは気にしないんだ!
いいのかどうなのかわからない誓いを胸に、駅に着くとあたしは早足で路地裏に入った。
まだ遅い時間じゃないにもかかわらず、大通りとは真逆のここは、人通りがほとんどなくてとても静か。
職場には自転車で行っているし、普段あまり駅は使わないからここも滅多に通らない。
古びたお店はすでにシャッターが閉まっていて、街灯の切れそうな電球がチカチカしている。
なんかちょっと不気味……。
早くこの通りを抜けたい。