コイツ、俺の嫁だから。【おまけも完結】
数日後。警察の仲間との飲み会があり、俺も久々に参加している。
しかし、周りのノリについていくテンションでもなく、俺は静かに焼酎のグラスを傾けていた。
「どうしたんすか片霧さーん、幸せボケ? まぁしょうがないか、あんなに可愛いヒメちゃんが産まれたんだしー」
女の子が飲むような甘いカクテルを手に、ほろ酔い気味で俺の隣にやってきたのは、相変わらず可愛らしい小柴だ。
舞花ちゃんともうまくやっているようで、よくふたりで家に遊びに来ている。
そんなヤツの手に収まる、淡い黄色の液体をなんとなく眺めながら、力無く呟く。
「……女ってさ、やっぱり子供産むとそっちに愛情のすべてが移っちまうのかな」
小柴には不思議と口が軽くなってしまう。縁が妊娠した時も、真っ先にコイツに言っちまったし。
今も、気が付いたら日頃の悩みの一部をこぼしていた。
俺の言葉が予想外だったのか、小柴は犬みたいなくりっとした目をぱちぱちとしばたたかせる。
が、すぐに何かを思い出すように、斜め上に視線をさ迷わせて言う。