コイツ、俺の嫁だから。【おまけも完結】
小柴の言葉を聞いて目が覚めたような気がした。

縁からの愛情が薄れたわけじゃない。カタチが変わっただけ。

それは絶対に悪いことなんかではないのだ。


「……たしかに、小柴の言う通りだな」


むくっと身体を起こし、ぽつりと呟いた。


「縁は愚痴も不満も言わずに頑張ってんだ。俺もこんな情けないこと言ってる場合じゃねーな」


気力を取り戻して残っていた焼酎を飲み干すと、小柴は安心したように笑って頷く。


「そうですよ! 子育てと家事をやるのは、男が思うより何倍も大変なんだから!って、現役保育士のマイマイがよく怒ってるし」

「怒ってんだ」

「そうなんです、まだママじゃないのに」


苦笑する小柴に俺も笑いがこぼれた。

それからは楽しく飲んで過ごしたが、心の中は縁への想いでいっぱいだ。


今頃、ゆなを寝かしつけてるんだろう。夜泣きはしてないかな。

きっと俺が帰る頃には縁も先に寝ているだろうけど、それでもいい。

早くアイツの顔を見て、そっとキスしてやりたい。

こうやって、愛おしく思える存在が常にそばにいるだけで幸せだってことを、忘れちゃいけないんだ。


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