きみの声を聞かせて
再び意識が戻ると、わたしは重たい体を持ち上げた。
目に入ってきたのは図書室の壁時計。
そしてオレンジ色の太陽。
とっくに授業は終わった時間できっともうこの学校にいるのは部活の人たちだけだろう。
お家に帰ろう。
そう決めたわたしはガラガラと立てつけの悪い図書室のドアを開けて学校を出た。
帰りながら何度も“あんな学校には二度と行かない”と考えた。
不登校になりたい訳じゃないけど、あんな酷い地獄に行く気力さえもうない。
帰ったら、お母さんに今日は逃げないで相談しよう……。