きみの声を聞かせて



「俺、ポカリ。あんたも遠慮しねぇでいいんだよ。渚の負けなんだから」



「夏帆ちゃんは何がいい?次は翔矢に負けさせるから気にしなくていいし」



『は?』と突っ込む翔矢くんに、俺だってスリーポイントじゃなければもっと早くシュート決められるしと言っている。



そう言ってくれたので、わたしは翔矢くんを指差して“同じの”とゆっくり言葉にした。



「オッケー!んじゃ、すぐ行って来るから待ってて」



走って行った渚くんにわたしは手を振って見送った。



「さてと、俺たちはボール片付けて待ってようぜ」



そう言って歩き出した翔矢くんの後をついていく。



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