きみの声を聞かせて
お母さんの服の上にはわたしの涙のシミでいっぱいで知らないうちに大きくなっていた。
……涙がまだ出てる。
今日1日泣いていたのに、涙ってそう簡単には枯れないんだね。
きっとわたしの体は限界を越えて、おかしくなっちゃったんだ……。
弱いな、わたし。
「夏帆……こんな声が出なくなるくらい気付けなくてごめんね……ごめんね」
何度も、何度もお母さんは「ごめんね」と言いながら謝ってくれて、わたしは決してお母さんのせいじゃないから
そのたびに首を横に振った。
わたしが……わたしが弱いからいけないんだ。
わたしが……もっと早く解決するために良い方法を探さなければいけなかったんだ。
とそう自分に言い聞かせて、いつの間にか嗚咽が聞こえてきたお母さんにわたしもぎゅっと抱き着いた。