きみの声を聞かせて
わたしとお母さんは落ち着くと、リビングにあるソファーに座った。
お母さんとわたしの空間に、お母さんの見ていたバラエティー番組の芸能人たちが笑いながら喋っていて
いつものように日は沈み始めてて
何もかも見慣れたところなのになんだか自分から遠く感じた。
明日からこの家にずっといるのか……。
まさか自分が不登校になるなんて思わなかった。
いっそう不登校になるのなら、退学したいくらいだ。
「夏帆……話したくないなら今話さなくてもいい。
でもこれだけは覚えておいて。
お母さんは何があっても、夏帆の味方だから」
真剣な眼差しでわたしの腕をぎゅっと掴みながらそういうお母さんに偽りはひとつも見えなかった。