きみの声を聞かせて
ーチュッ
え……?
今、渚くんの唇、わたしのおでこに当たった。
わたしはバっとすぐに離れて、フィナーレの音楽が流れ、壁にはお城の絵が描かれたものに変わった。
そして気まずい雰囲気がわたしと渚くんに流れながらも……
実際はフリだけどキスして、ハッピーエンド。
「こうしてラプンツェルは本当のお父さんとお母さんに再会し、
みんなから愛されるお姫様になりました。そして二人は結婚して幸せに暮らしましたとさ」
それと同時に幕がゆっくり下がっていって、その間にみんなで一列に手を繋いで
再び幕が上がると一斉に礼をして、観客からは盛大な拍手が返ってきた。