きみの声を聞かせて
「ヒロイン ラプンツェル役は小林夏帆、千葉麻美」
と呼ばれてわたしと麻美は体育館のみんなに手を振って、礼をする。
「フリン役の木村渚」
渚くんもみんなににっこり笑いながら手を振って、礼をしていた。
そして紹介が終わると、みんなでもう一度礼をして最初の公演が幕をとじた。
「お疲れー!」というお互いに労わる声が飛び交う中、わたしはキョロキョロ辺りを見ながら
渚くんを探す。
どう考えても、テンパりすぎたわたしがいけなかった。
事故のキスだってわたしが原因だ。
気まずい気持ちでいっぱいだけど、次の公演だって午後にあるしちゃんと謝らなきゃ。
わたしは渚くんを見つけると、すぐにそばに行った。
そして本当にごめんなさいと心の中で謝りながら頭を下げた。