きみの声を聞かせて
渚くんと麻美の機嫌を宥めて、他のみんなにも髪のことを言われた後、わたしは一息つくために体育館を出た。
自分の心臓も始まる前はとんでもない速さでバクバク言ってたのに、
今となってはあと一公演残ってるのに全然緊張しない。
渚くんの言う通りだと思ってクスっと笑っていると……
中庭でなんだかムスっと不機嫌な顔をしている翔矢くんが目に入った。
まだ文化祭終わってないのにそんなところで何をやっているんだろう?と思いながら翔矢くんのところに足を向けた。
「あんた……何やってんだよ!」
わたしの足音に気付いてこっちを見た翔矢くんは口調からしてすごーくイライラしている。
ービクッ!
どうしてそんなに怒ってるんだろうと思いながら、首を傾げながら次の言葉を待った。