きみの声を聞かせて



本当はお母さんに話すつもりはなかったけど、友達が1人もいない今、頼れる人はわたしにはお母さんしかいないと思った。



そう思ったわたしはソファーから立ち上がって、かばんからシャーペンとルーズリーフを取り出すと



ソファーの前に置いてあるローテーブルでわたしはゆっくりゆっくりシャーペンを走らせた。



部活のこと



それが広がってクラスにまで苦痛を感じていること



先生は知っているのに知らないふりをされていること



今日学校に行ったら黒板一面にわたしの悪口が書かれていて、ショックで図書室にいたこと



この生活が半年間も続いたこと



家ではお母さんたちにバレないために必死だったこと



時間はすごくかかったけど……最後にこう書いた。



【もうあの学校には行きたくない】



と。



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