きみの声を聞かせて
「夏帆、大丈夫?今日不調みたいだけど、どっか痛い?」
休憩中、心配そうに聞いてきてくれたのは部長の美咲さん。
わたしはフルフル首を横に振って、そしてすみませんと頭を下げた。
それからすぐにわたしはボールカゴからひとつだけボールを取り出すと
ゴールまで行って、シュート練をする。
動揺しすぎだよ。
少しは落ち着かないと。
対戦校を知って、こんな動揺してたら、試合なんて絶対できるわけない。
交代する控えの選手もいないから逃げられないし……
いったいどうしたら……。
絶対に嫌だって思ってたことほど、どうして現実になってしまうんだろう。
ようやく新しい学校に慣れてきて、文化祭も無事成功できたと思ったのに
良いことは長続きしなかった……。