きみの声を聞かせて



でもどうしても、頭の中で割り切ろうとしても



前の学校のことを考えてしまって、残像が流れてきてしまって、



その結果、シュートが一本も入らなくなってしまうくらい集中できない。



わたしの悩みよりもみんなに迷惑掛けてることを考えなきゃいけないのも分かってる……。



いったいどうしたらわたしは自分のバスケができるようになるんだろう。



「今の夏帆にバスケが集中できない理由、なんだか分かるか?」



急に声の口調を優しくして問いかけてきた翔矢くん。



渚くんは口を挟まないまま見守ってくれている。



今、わたしがバスケに集中できない理由……。



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