きみの声を聞かせて
すべて書き終わると、裏表のルーズリーフが5枚に渡っていて
わたしが書きながら読んでいたお母さんはすごく辛そうな顔していた。
だけど……
「気付けなくて本当にごめんね。
でもよく頑張ったね。
こんなに頑張ってきた夏帆はもう何にも頑張る必要はないよ。
あとは全部、お母さんに任せて」
そう言い切ったお母さんにはどこにも迷いのない強い表情に変わっていて、わたしはコクンと頷いた。
「これ、お母さんが預かってもいい?」
お母さんが指を差すのはわたしが今まで書いたルーズリーフ。
自分が持っていたってきっとビリビリに破いてゴミ箱に捨てるのは目に見えているから、わたしはお母さんに差し出した。