きみの声を聞かせて



次に目が覚めた時には、部屋は真っ暗だった。



まだ夕ごはんができてないのかお母さんに起こされなくて



でも、自分の部屋の外からお父さんとお母さんの声が聞こえる。



どうしたんだろうと思って、おそるおそるリビングの方に静かに歩いて行くと2人のはっきりした声が耳に入ってきた。



「もうあの学校には夏帆を二度と行かせない!明日絶対退学届もらってくるから!



さっき、電話で夏帆のクラスの担任の先生と話したら



いじめなんてそんなひとつひとつ私も対応できませんよ。



そもそも被害を受けている生徒にも加害者にされる理由ってものがあるんじゃないですか?



それからいじめが原因で喋れなくなったとお話されてましたけど、それはただ単にお子さんが現実逃避されてるだけじゃないんですか?



だって!



あんな生徒思いじゃない学校なんてこっちから願い下げよ!」




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