きみの声を聞かせて
わたしはゆっくり口を動かしながらありがとうと伝えた。
「今日の夏帆は本当によく頑張ったよ。
……変わったな。
俺はそっちのお前の方が好き……かもな。
じゃあ、俺もこれからもう一試合あるから行くけど、無理すんなよ」
翔矢くんは頭をポンポンとすると救護室から出て行った。
ガチャンというドアの閉まる音が聞こえると、ふぅーと溜め息をついた。
今の何だったんだろ。
いつもの翔矢くんじゃなさすぎてびっくりしちゃった。
だってさ、いつもの翔矢くんってもっとトゲのあるような喋り方するよね……?