きみの声を聞かせて
わたし、翔矢くんのこと好きなんだって気づいた瞬間、また意識レベルが上がってしまった気がした。
「おはよう、夏帆ちゃーん!今日は部活終わった後に昨日できなかったしスリーポイントする?」
朝、登校してきて渚くんが言ってきたのはバスケのこと。
本当はやりたいんだけど、今のわたしが翔矢くんの前でスリーポイントシュートしたら
ドキドキしすぎてゴールどころか力が入りすぎて入らない気がするんだよね。
どうして好きって分かった瞬間、こんなに翔矢くんに対して見てた視線がこんなに変わって、変に意識しちゃうんだろう。
わたしは渚くんに聞こえないように小さく溜め息を吐いた。