きみの声を聞かせて



やばいっ!



絶対これは顔面から転んじゃう。



「危ないっ!」



わたしの状態はもう体がもうリンクに向かっていて、自分の体を押し戻せるかんじではなかった。



耳に入ってくるのはもう翔矢くんの声だけ。



わたしは無意識にぎゅっと両目を瞑った。



―ドンッ



「痛ってぇ……」



耳元で聞こえた翔矢くんの声。



……わたしを待っていたものはガチガチのスケートリンクじゃなかった。



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