きみの声を聞かせて



それからはわたしはもう一人で滑るのをやめて、ずっと翔矢くんの手をぎゅっと握りながら一緒に滑っていた。



「もう滑れるだろ?」



って翔矢くんに言われても、ブンブンとわたしは首を振るだけ。



断固拒否なわたしに翔矢くんは少し呆れながらも、飽きるまでずっと一緒に滑ってくれた。



そして、スケート場を後にすると今度は2人でカフェに入ってゆっくりして



辺りが暗くなると電車で移動して、この辺で一番有名なイルミネーションのスポットにやってきた。



一面の木々がシャンパンゴールドにライトアップされていて並木道を歩いた先には



少し暗くなっていて、目の前には大きなクリスマスツリーと周りには数えきれないほどのイルミネーションだった。



きれいと思わず口が動いてしまうくらい凄くきれい。



「綺麗だな。こんなすごいイルミネーション初めて見た。



最寄駅のイルミネーションが普通かと思ってたから予想外すぎる」




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