きみの声を聞かせて
わたしと翔矢くんもその場に立ち止まると、翔矢くんはおばさんに「こんばんは」と挨拶をしていた。
「夏帆ちゃん!あれ?この間までは中学生だったよね?
だから今は高校生?」
おばさんは陽気な声でグイグイとわたしに話しかけてくる。
わたしはその空気に押されながらもコクンと頷いた。
「やっぱそうよね!かっこいい男の子と一緒にいて!羨ましいわ。
今も部活はなんだっけ?中学の時みたいにスポーツやってるの?」
わたしはそう言われて、急いでポケットから取り出して“今もバスケ頑張ってます”と打とうとしたら
「夏帆は今でもバスケを頑張ってますよ」
と代わりに翔矢くんが答えてくれた。