きみの声を聞かせて



ープルル



3コールくらい聞くと「もしもし、夏帆?」とわたしを呼ぶ翔矢くんの声が聞こえた。



だけど、そこでも現実を突きつけられた。



……電話は喋れないと、何も伝えられないことを。



いつもレポート用紙に書いて見せて相手に伝えられるような簡単なものではないことを……。



「………っ」



もう自分が心底嫌になった。



みんなと同じように生きているのに、どうして自分だけ喋れないの……。



わたしは一生このままなの?



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