きみの声を聞かせて
翔矢くんにあっていっぱいありがとうって言いたい。
きっとこの時間はお昼休みだから、翔矢くんはきっと体育館にいるんだろうなと思いながら
わたしは学校の前でお母さんに車を降ろしてもらい、教室に向かわずに体育館に向かって走る。
はやく、はやく。
翔矢くんの元に、はやく行きたい。
ダンッダンッとボールが体育館の床について響く音が聞こえてくる。
わたしはローファーを脱ぐと、体育館の中に入って
一度息を大きく吸うと「翔矢くんっ!」と彼の名前を呼んだ。