きみの声を聞かせて
今までこんな渚くんみたいに親身になってわたしのこと考えてくれた友達っていたかな?
授業を休んでくれてまで一緒にいてくれた人……
……間違いなくいなかった。
わたしの友達は悪い噂を聞いてそれを信じて……みんな、みんな敵になった。
わたしの返事を待ってくれてる渚くん。
渚くんはわたしが障害者だって噂がこれからもっと大きくなってもそれでも友達でいてくれる?
「夏帆ー!お待たせ!
紙とペン持って来たよー!」
バタバタと音を立てて走って来た麻美。
チャイム鳴る前に教室は出れたんだけど、鳴った後先生に見つからないかヒヤヒヤしたよー!と言っている。
「いきなりどっか走ってったと思ったら……それ取りに行ってたのかよ!」
一言言ってから行けよなって渚くんが突っ込む。
わたしはその瞬間麻美と渚くんに見えないようにかばんを隠した。