きみの声を聞かせて
「それで、夏帆の声が出るようになったらそんなこと言ってきたヤツみんなを見返してやろ!
夏帆はただでさえこんなに可愛いのに、声が出たらもっとモテると思うよ!」
言ってきたヤツがもしも告白なんてしてきたら思いっきり振っちゃえ!とパンチをする仕草をしながら言う麻美。
そんな強気な麻美の言葉においおいって渚くんは突っ込んでるけど、その意気で行こうぜ!と言ってくれた。
わたしは頑張れる。
だって、過去を話しても麻美も渚くんもそばにいてくれて励ましてくれたんだから。
こんな強い味方がいれば、教室に行けない自分の弱い気持ちには絶対勝てる。
「夏帆!」「夏帆ちゃん!行こう!」
チャイムが鳴るとわたしたち三人は実習棟を後にして教室に向かったんだ。