きみの声を聞かせて
「もうあんな声で呼ばれて恥ずかしいよね!私だったら絶対嫌だよ。
あとでちゃんと言っとくからね!」
麻美はそう言ってカロリーメイトをくれた。
((ありがとう))
確かに渚くんは他の子たちが振り返るくらい少し大きめの声だった。
女の子の気持ちが未だにわかってないところは渚はまだまだだねと麻美は言っている。
チャイムが鳴ると、渚くんはさっき翔矢くんが持っていたものを持っていて
「翔矢が夏帆ちゃんとぶつかった時に一緒に入ってたって!
夏帆ちゃん今日じゃなくてもっと前に翔矢に会ってたの?」
わたしに手渡すと渚くんは自分の席に座った。