きみの声を聞かせて
だけど、わたしは翔矢くんの制服の裾をグッと引っ張ってすぐにこう書いた。
((あんたって呼ばないでほしい。
わたしの名前は小林夏帆))
翔矢くんはわたしの書いていたレポート用紙を覗いていたようで
書いてる途中に
「あーっ、苗字は知らなかったけど名前は渚から聞いて知ってた。
あんたじゃなくて夏帆ならいいわけ?
俺、渚みたいにちゃん付けで呼ぶの好きじゃないんだけど……」
と言ってきた。