きみの声を聞かせて
先週、急いでて翔矢くんにぶつかって生物ノートを失くして
バスケ部に仮入部に行ったら、わたしのプレーを見て本気出してないのを気付いて
無駄なプレーをするなら二度とバスケをやるなって言われて気まずくなったのに
今日は朝から1人で殻に閉じこもるように泣いていたのに渚くんと麻美を呼んでくれて
さっきだって喋れないわたしのためにって訳ではないけれど、はっきりとわたしのこと障害者呼ばわりするのをやめろって言ってくれた。
お互い気まずかったはずなのに……。
バスケが好きで、真面目で、少し冷めてて、でもいつだって自分にまっすぐで、
溜め込んでいられなくて自分が敵になることを考えずに言いたいことを伝える彼が
わたしには羨ましくて、そしてかっこよくみえた―――。