35歳の恋愛議事録
南口の改札
歩いてくる君
花屋の横で僕は
つぼみを見つけた
出会えたことが
偶然だとしても
手をとりあった時間は
確かなものであるように
Ah-
君がきれいな花となるように
大事にそっと
抱いたはずなのに
トキを刻む砂時計は
歩むことをやめた
朝が来るまででいい
星が浮かぶ夜空に
不機嫌なキリ雲
踏切りの先にはもう
君の姿なくて
指でなぞる窓辺の写真から
目を背けられずにいる
どうしてだよ
どこに行くの?
Ah-
追いかけても追いかけても
手に届かない
はかなく散ってゆく
君を守ることが僕の
生きてくカタチと思ってた
一番近くで見ていたい
大人になる一つ一つを
失ったモノは大きすぎて
僕の胸にはしまえない