男装彼女
side貴

龍先輩いないなぁー....。
ホントに誰なんだあの人。
知り合いの先輩に聞いてもそんな人いないって言われるし...。
うーん....。
唯一脈があったのは、馨と馨の姉さんだと言われた萌先輩と、その友達だという千先輩か....。
てか、あの2人超美人だった....。
なんかもー、ハンパなく。
馨のかっこよさは、萌先輩譲りだな。
まぁ、俺的には千先輩のほうが可愛いと思ったり///
何考えてんだ、おれ。
それよか、龍先輩だろ!!!!

ホントにあの時は助かった。
だから、お礼にエロ本持ってきたんだけど....。
いないしなぁ。
うーん....

と、悩みながら歩いて中庭に出るとがさがさっと音がした。
....ふと、上を見ると....

「あぶなっ!!!!」

「千先輩!?」

「あー....、バレた。まぁ、いいや。ちょっとそこどいてー」

いま、千先輩は木の枝に片腕で捕まっている状況。
一体この人は何をしていたんだろう。

「あー、どかないなら動かないで。」

....と、唖然としている間に千先輩が飛んだ。
飛躍力やばいって。
そして、俺の目の前にストンと綺麗な着地を見せた。

「....何者ですか、先輩....。」

「え、ちょ、なんか引いてる感じ?」

「....少し....」

「えぇー....」

「そりゃ、誰でも引きますよ。」

ふてくされながら頬を膨らましている先輩。
....かわいい....。
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