男装彼女
「....で?誰?」

....え。
さっき会ったばっかじゃん。
おれ覚えられてなかった?

「下野貴です。」

「あぁ。さっきの」

少しは記憶の中にあったみたい。
よかった。

「先輩はなにしてたんですか?」

「なにって、昼寝?」

「木の上で!?」

「うん。」

何をそんなに驚いてるの。
的な顔で見ている先輩。
女の子ですよね、しかも高校生ですよね。

「あそこが一番邪魔されないのよ」

と、指をさしたところには大きな木の枝が。

「危ないですよ」

「あー、大丈夫、大丈夫。」

....身体能力以上だろ

「で?怖い顔して何悩んでるの?」

と言って先輩はベンチに座った。

「あ、おれ昨日龍先輩って人に助けてもらって、お礼をしようと思ったんですけど、だれも、そんなやついないっていうんですよ。」

「ふーん、まぁ、頑張って」

え、それだけ!?
絶対この人なにか知ってる。
こうなったら....

「せーんぱいっ?教えてください」

と、先輩の顔を見ながら首を傾げる。
これをしたら、どんな女でも俺に堕ちる。
....はずだった。

「はぁ?やだよ。てかなにそれ、かわいー」

といって、ほっぺたを両方掴まれてびよーんってされた

「....痛いっす」

「そりゃ、引っ張ってるからね。んま、龍探し頑張りなよ」

「え、先輩!!!!」

そー言ってそのまま先輩は行ってしまった。
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