男装彼女

ーープルルルル、プルルルル
機会音が続く。
早く出て、早く...

『...もしもし?』

「も、萌っ!!!!今日泊めて!!!!」

『えぇ、無理だよー、馨の友達が泊まるみたい。』

「え...どうしよう...」

『なにがあったの』

「門限に間に合わない...」

そしてあたしは、事のいきさつを萌に話した。

『ふーん。てか何やられてんの(笑)』

ですよね...。
そりゃー、笑っちゃいますよね...。
でも、相手は一般人だったんだからさー。

『まぁ、いいよ。あたしの家にいるってことにして、今日は貴くんの家に泊めてもらいなよ』

「...え。」

なんでそうなる。

『千は、お父様から怒られるのと、貴くんの家に泊まるのどっちがいいの?』

究極の二択...。
悩む。
むぅー...。

「...泊まる。」

『ふふっ。なら、プリン』

「...わかったよ」

あぁ、150円が飛んでいく。

『じゃあねー...』

ーーブチッ

虚しい機会音が響いた。

萌にはいつも助けてもらったときプリンを奢るようにしている。
ただ、前は98円だったプリンが今では150
円に。
高すぎる...。

まぁ、自業自得。
我慢しよう。
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