男装彼女
さてと、着替え....待って。
貴にこの格好で会っちゃったじゃん!!!!
あー、いまさら無理。
普通の格好なんてめんどくさすぎる....。
まぁ、いいか。
このまま帰ろ。
「....貴。帰るぞ。」
「はい、龍先輩!!!!」
もー、下の名前で呼んでるし。
まぁ、あたしもだからいっか。
「〜♪」
鼻歌を歌っている貴。
ホントに女の子に追いかけられていたんだろうか....。
あのまま放置してればよかったなー、とかちょっと思った。
「あ、そういえば、貴。フェンス越えれるよな?」
「え、あ、まー、ぎりぎり?」
「ギリギリって何だ(笑)」
「笑わないでくださいよ!!!!」
「ま、お前ぐらいの身長あれば余裕か」
「???」
?マークが顔にも出てますよー?
裏道っていってもホントに裏道だからちょっとフェンスを越えなければいけない。
貴の身長は....175ぐらいか。
ちなみにあたしの身長が158。
男装してるときはちょっとシークレットブーツを拝借....したいけど、してない。
そのままでもカッコイイんだとか。
これは、まぁ、親友が言ってた。
あー、そいえばクラス一緒だったなぁ....。
よかったよかった。
うんうん一人で頷いていると....
「....ぱい?龍先輩!!!!」
「ん?あぁ、すまん。どーした?」
「いや、別に何もありません」
....なんなんだ。
あー、もー、めんど....。
とか思っているとフェンスが見えてきた。
「....よっと。」
それをあたしは慣れた感じで超える。
まぁ、なんで女の子がフェンスなんて....とか思われるかもしれないけど、お父様に幼少期からさんざん鍛えられたあたしにとって、フェンスをこえることぐらい、どーでもないようになっていた。
「....なにしてんだよ、はやく。」
「あ、はい。先輩、なれてますね」
「まぁな。」
「かっこいいです。」
「....貴に言われても嬉しくねぇ」
それは、ホントのことだった。
イケメンにかっこいい言われても嬉しくない。
というより、悔しい!!!!
「あ、俺、家こっちなんで....」
「そか、じゃあな。」
「あの!!!!明日、お礼します!!!!」
「いらねぇよ。」
....めんどくさい....。
「いや、絶対するんで!!!!じゃ!!!!」
「え、おい!!!!」
行ってしまった....。
すばやいな。
んま、明日から龍はいないんだしいっか。
頑張って龍探すんだろうな....。
頑張れ頑張れ(笑)