男装彼女
side千

そして、萌が待ちに待った日曜日がやってきた。
朝からシャワーを浴びて、髪の毛をセット。
ん、いい感じ。
ちなみにあたしはウィッグとかじゃなくて地毛で男装をしている。
あとはー、さらしまいてー、服を着てー....っと、よし。
準備完了!!!!

「おかしくないよなー」

鏡で自分の姿を確認する。

「よし!!あ、メガネメガネ....」

んー....行くかっ!!
なんだかんだで、萌とのデートを楽しみにしている自分がいる。

「行ってきまーす」

「千ー!!」

だだだだだだ、と2階からものすごい足音が聞こえてきた。

「なに?お母さん。」

「あらっ、今日は龍なのねっ!!もー、ホントにかっこいいんだからぁ!!なんで男の子にならなかったんでしょう。神様も意地悪だわぁ。」

....。
お母様よ。
あなたは何しにここへ。

「で、何しにきたの?」

「あ、そうそう。萌ちゃんのところに行くんでしょう?これ持っていって!!」

バッと渡されたのは紙袋。

「なにこれ。」

「この前の旅行のおみやげ」

「あー、そゆこと。わかった、じゃあ、行ってきます。」

「行ってらっしゃい。気をつけてねー!!」

元気だなぁ。
....そんなお母さんが好きなんだけどね。
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