男装彼女
「ふーん。」

「....先輩?」

「あ?なんだ?」

「妬いてるんですか?」

「まぁなー。俺、心狭いからさ。萌のことを男が見てるだけで嫌なわけ。」

お、おう....。
拉致監禁したいレベルな訳ね。
先輩は絶対Sだな。

「んまぁ、俺んことはいいんだ。」

「龍ー!!!!はーやーくー!!!!」

「ふっ....、んじゃ、行ってくるわ。」

「い、いってらっしゃい....です。」

龍先輩の笑った顔、すっごいかっこいい。
愛しい人を、愛しいと思って心の底から笑ってた。
大好きなんだな、萌さんのこと。

「姉ちゃんテンション高かったなー。なんでかと思ってたけど、龍にい絡みならしゃーないかぁ」

「美男美女だな。」

「....あー、うん。」

何その微妙な返事。
あー、そうかこいつ、シスコンだったな。
イケメンな彼氏が許せないわけだ。

「俺たちもどっか行こうぜ。」

「あぁ。」

ゲーセンにでも行きたいな。

「てことで、カラオケに決定な。」 

「てことでもなにも、何も言ってねぇじゃん。」

「う、うるせー!!!!」
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