男装彼女
「....ふーん」

龍と呼ばれたその男は俺の方を見てにやりと笑った。

ーーぐいっ

「萌、こいつ誰?」

んで、初対面のやつにこいつ呼ばわりされへんといかんねん。
....こいつ....ムカつく....。

「んー?先輩っ!!!!」

「ふーん....。萌ー、俺の事好き?」

「うんっ!!!!」

にっこりと笑って龍に笑顔を見せる萌ちゃん。
その笑顔は俺に見せてくれよ。
いつも、俺に見せてくれるじゃんか。
なんで....なんで....俺じゃないん?

「萌ちゃん....」

「なんですか?」

「俺とデートしよ?」

「えっ....?」

顔が赤くなる萌ちゃん。
なんで赤くなってるん?

「萌....」

そっと、萌ちゃんを引き寄せて耳元でなにか囁く龍。
近づくなや....。
彼氏でもない俺が言えたことではないねんけどな....。
....嫉妬か....。

「....っ//////行ってくるね。」

「....?」

また顔赤くなってへん?
気のせいか?

「羂先輩、行きましょ?」

「いいのか?」

「先輩から誘ってきたんじゃないですか」

にこにこと笑って俺の方を見る萌ちゃん。
....くそ、かわいいな....。

「あの男はいいのか?」

「また遊んでもらうから大丈夫です。」

「....そうか....。」

また会うのか。
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