男装彼女
「萌ちゃん。」
「なんですか?」
「好きだ。」
「は?」
はい?
なんていいました?
的な顔で見てる萌ちゃん。
「俺、萌ちゃんのこと好きやねん。音楽室で出会った時から萌ちゃんに惚れてん。さっきも龍とかいう男と腕くんで歩いてるのを見て、なんで俺やないん?とか思ってさ。」
「....先輩....」
泣きそうな顔をしている萌ちゃん。
あぁ、困らせてしまったんかな。
これは、もうだめだな。
「返事は今じゃなくていいから。」
そう言って俺は、萌ちゃんに背を向けてその場をさった。
女の子を一人にしてるとか俺最低やな。
でもきっと龍が迎えに来るんやろうな。
ーードンッ
誰かが抱きついてきた。
「....羂先輩っ!!!!どうして自分ばっかり言って逃げちゃうんですかっ!!!!どうしてあたしの話は聞いてくれないんですかっ!!!!あたしだって、あたしだって先輩のこと好きなのにっ!!!!」
「....は?」
なに嬉しいこと言ってくれちゃってんの?
この子。
俺の事好きやて?
「....ホンマに?」
「....はい。先輩のこと好きです。」
まじか....。
やばい、嬉しすぎて死にそうや....。
なんでこんな、こんなに愛しいねん。
ーーギュッ
「好きや....好きやで....萌。」
「あたしもです。先輩。」
....幸せや....。