男装彼女

「萌ちゃん。」

「なんですか?」

「好きだ。」

「は?」

はい?
なんていいました?
的な顔で見てる萌ちゃん。

「俺、萌ちゃんのこと好きやねん。音楽室で出会った時から萌ちゃんに惚れてん。さっきも龍とかいう男と腕くんで歩いてるのを見て、なんで俺やないん?とか思ってさ。」

「....先輩....」

泣きそうな顔をしている萌ちゃん。
あぁ、困らせてしまったんかな。
これは、もうだめだな。

「返事は今じゃなくていいから。」

そう言って俺は、萌ちゃんに背を向けてその場をさった。
女の子を一人にしてるとか俺最低やな。
でもきっと龍が迎えに来るんやろうな。

ーードンッ

誰かが抱きついてきた。

「....羂先輩っ!!!!どうして自分ばっかり言って逃げちゃうんですかっ!!!!どうしてあたしの話は聞いてくれないんですかっ!!!!あたしだって、あたしだって先輩のこと好きなのにっ!!!!」

「....は?」

なに嬉しいこと言ってくれちゃってんの?
この子。
俺の事好きやて?

「....ホンマに?」

「....はい。先輩のこと好きです。」

まじか....。
やばい、嬉しすぎて死にそうや....。
なんでこんな、こんなに愛しいねん。

ーーギュッ

「好きや....好きやで....萌。」

「あたしもです。先輩。」

....幸せや....。
< 38 / 59 >

この作品をシェア

pagetop