男装彼女
「千ねぇもかわいいけどさー、姉ちゃんのほうが絶対可愛いから!!!!わかってるだろーな!!!!千ねぇ!!!!」
「うるさいよ、馨。そんなの一番あたしがわかってるって」
そう言いながらあたしは、いつものように馨をなだめるため、頭を撫でながら言った。
「貴もそう思うだろー??」
「ん?あ、あぁ。」
「そう言えば、貴くんと、馨って知り合いだったの?」
「よくぞ聞いてくれたぜ、姉ちゃん!!!!貴と俺はー、塾が一緒で仲良かったんだ。なー!!!!」
「うるさい、馨」
と、言いながら貴が馨の頭を叩く。
「痛いじゃんか!!!!」
「だまれ、な?」
「....はーい。」
....!!!!
素直だ....。馨が他人に素直になってる....。
このシスコン野郎成長してるのかも。
てか、塾行ってたのか。
行かなくても大丈夫な頭してるくせに....
ちょっとは、そのシスコンを生かして姉ちゃんに分けてやってくれないかなー。
とか、考えてたら....
「....あ、千先輩。蒼威龍って先輩、知りませんか?」
「....へ?」
急に尋ねられて変な声が出てしまった。
恥ずかし....
「蒼威龍??それならこの....」
「わーわーわーわー!!!!」
余計なこというんじゃないシスコン!!!!
「なんだよ、千ねぇうるさいよ」
「馨、耳貸して。」
「えー、なんだよ」
「あたしが龍ってこと黙っててくれない?ちょっと、いろいろあって....」
「えー、やだ」
....コイツ....。
よし切り札使お。
「萌とお揃いのキーホルダー買ってあげる」
「わかりました。」
即答ですか。
シスコン、扱いやすい。
「....んー、龍って人は聞いたことないかな。んじゃ、萌、あたしたちは帰ろっか」
「はーい、じゃあね、馨、貴くん」
手を振りながらあたし達は、自分の教室へ戻った