君とお絵かき
✲蓮視点
「やっぱ暗いなぁー。」
空は真っ黒く、冷たい風が吹いている。
「·········寒っ。」
「寒いねー。」
莉桜はガクガク震える。
そこまで寒いのか?
「あぁー、家に帰っても、する事ない。暇、暇、暇ー!!」
「ちょっ、ちょっと····。一応、夜だし、大声は出さないよーに!」
「はぁーい。」
ちょっと会話が途切れたのもあるが、暇なのは事実なのだ。
「ちぇーっ。」
「家帰ったら、電話してね!」
「あっ、うん!」
「お、もうすぐ、曲がり角、バイバーイ!」
「もう?バイバーイ·········。」
私達は家が近いとは言えない。いつも曲がり角でさよならすることにしている。
私は莉桜が隣にいなくなってぽっかりした右肩を撫でながら、交差点を曲がった。