君とお絵かき
✲莉桜視点
「やっぱ暗いなぁー。」
夜は暗いし、怖いし、寒いし、好きではなかった。
「·········寒っ。」
私は寒さで凍えてしまう。途中、蓮ちゃんにそこまで寒いのか?みたいな顔されたけど、寒いんだよ!
「あぁー、家に帰っても、する事ない。暇、暇、暇ー!!」
蓮ちゃんは道端で、いきなり叫び出した。
暇なのは、私もだよ···。
半分は呆れながらだけれど、一応、夜なので、注意はしておいた。
「はぁーい。」
頬を膨らませ、渋々了承する蓮ちゃん。
その動作、すっごく可愛い·········。
「ちぇーっ。」
まだ蓮ちゃんは納得いかないようだ。
電話してねと、一声掛けてみる。
「あっ、うん!」
すぐに元気のいい返事が返ってくる。
やはり、蓮ちゃんは、蓮ちゃんだ。
(少し·········単純?w)
そんなことを考えていると、もう、蓮ちゃんと道が別れる交差点に差し掛かっていた。
「バイバーイ!」
「あ·········バイバイ!」
別れるとき蓮ちゃんが少し寂しそうな顔をしたのは、気の所為だろうか?
蓮ちゃんは交差点を曲がっていった。
その後ろ姿を今日は、見えなくなるまで見ていたいと、なんとなく思ったのだ。
その時だった。