君とお絵かき
「死んじゃ·········だめだよ·····。」
涙でぐしゃぐしゃになった顔の莉桜がいた。
「ぇ·········。」
「絶対に、いつか、絵を書ける日がくるから!!」
「だから·········、諦めないでよ······。死ぬなんて、言っちゃ嫌だよ!!」
「莉桜·········。」
私の独り言聞いていたんだ。恥ずかしい。
けど、元気付けてくれた。
「そうだね、ありがとう·········。」
布団の上は涙でぐちょぐちょ。
私の顔も莉桜の顔もぐしゃぐしゃ。
こんな状況だけど、笑っちゃった。
「いつか、絵を書ける日がくるよね?」
「·········そうだね!」
まだ胸に残る悲しさと絶望感は抜けないけど、それを隠すために元気良く言った。
「莉桜は、泣き虫だからね。」
「蓮ちゃんも、でしょ?」
「ううん、私、泣いてないもん···。」
「嘘つき···。」
「絶対に、治してみせて。私はお医者さんの言葉なんて、信じてないからね!」
感覚的にも、医者に言われたのも、手が動かないのは、もう二度と動くことはないのは、分かっている。
でも、私は目一杯微笑む。
「ん·········私も!」
莉桜は、私の手を握っていてくれた。
温かい·········。
ありがとう、莉桜·········。